揺れるユーロスター <パリ家族旅行記1日目(1)>

mi-san20042006-06-24

  • 早起きして、7時31分大学発のUni-LINK(バス)でサウサンプトン中央駅に向かう。車中で食べるサンドウィッチとコーヒーを買い、8時半のLondon Waterloo行きに乗った。郊外に出ると牛や馬が牧草を食む美しく長閑な風景が広がるが、もう慣れてしまって感動しなくなってしまった。Waterloo駅は、ユーロスター用に「国際駅」を併設している。国境を越えるので出入国手続きや手荷物検査場があって、鉄道駅だけど空港のような雰囲気だ。羽付き帽子からヴェールを垂らした正装の貴婦人たちが駅構内を歩いていたが、どうやら「ロイヤルアスコット」へ向かう人々らしい。出国手続きは簡単であった。"Bon jour" と微笑んだ係官に日本国のパスポートを渡したら「コンニチハ。オゲンキデスカ?」。乗車までの待ち時間に昼食用のパニーニと飲み物を買って、僕はビールを一杯飲んだ。
  • 座席は4人向かいあわせの「クロスシート」で真ん中に折りたたみ式の大きなテーブルがある。リクライニング機能はなく、決して広くはない。頭上の棚は二段式でけっこう広く、荷物もベビーカーも全て乗せることができた。チケットは大人2人、子供1人の3人分しかないので、もう1席に座る人が来たら、子供連れの中に放り込まれてさぞかし辟易するだろうと思ったが幸い誰も乗ってこず、4人席を占拠することができた。座席スペースは決して広くないが、シートそのものは十分に快適で、側面の大きなヘッドレストのお陰で通路側の席でも頭をもたれさせることができる。睡眠不足だったのでイギリス国内を東に走っている間にほどなく眠りに落ち、肝心のユーロトンネル通過には全く気付かなかった。
  • 目を覚ますともうフランスに入っていた。自動車が右側を通行している。カレーを発車した後、ユウを連れてトイレに立った。それにしても凄い揺れである。線形の悪い東海道新幹線はかなり揺れるほうだがあれより酷い。日本の新幹線で「酔う」というのはあまり考えられないが、進行方向に背を向けて座ったKumiは少し酔ってしまったようだ。いよいよパリ北駅が近づき、僕は腕時計の針を1時間進めた。