文献集めの日々

mi-san20042006-06-15

  • そろそろ本気で卒論(Dissertation)モードに入らなければならないのだが、今何をしているのかというと、テーマとする分野の先行研究など関連する文献をただひたすらに集めているのである。卒論においてはLiterature Review(先行研究の網羅的なサマリー。そこから自分の問題意識をもとに自らの研究テーマを導き出す)がかなり重要な位置を占め、少なくとも30〜50本の文献を読んで自分の(批判的)視点でまとめなければならない。
  • どうやって文献を探して集めるのかというと、これが非常に楽チンなのである。主要な学術誌(定期刊行物)はほぼ完璧にPDF化されオンラインで検索し入手することができる。ダウンロードは本来有料なのだが、大学がメンバーシップを持っているので学生もそれを利用して無料でほぼ無制限に入手できる。しかも自宅のパソコンから大学のイントラネットに接続することができるので、自宅の勉強部屋に引きこもったままでもかなりの程度の仕事が可能なのである。
  • とっかかりは「キーワード検索」で、そのキーワードが論文のタイトルに入っているものに絞って集めた。次の作業はその論文の末尾の「参考文献リスト」に載っている論文類を集めることである。さらにその論文を掲載した学術誌について、目次を最近10年分ぐらいしらみつぶしに調べて、関係しそうなタイトルのものを片っ端からダウンロードする。ある号は1冊丸ごと関連分野の特集だったりするので、芋づる式にやるとけっこうな数の論文を集めることができるのだ。同じ作業を、インターネットなしでやることを想像したら途方に暮れてしまう。図書館の端末で調べ出して実際の学術誌からコピーをとる作業。それ以前に対象となりそうな文献を探すのが大変だ。便利な時代だが、それが論文の質に結びつくものではない。いくら便利であろうと、適切な論文を見つけ出すにはそれなりのセンスや知識が必要だし、それを読みこなして活用できるかどうかは今も昔も個人の能力と努力次第なのである。
  • そう、問題は次の段階なのである。集めた論文は使えるものばかりとは限らないのでスクリーニングをする必要がある。そのためには、Abstruct(梗概)、Introduction、Conclusionぐらいは読まなければいけない。さらには選び出した文献を徹底的に読み込んで自分の論文に合わせて再構築する。わがReading能力と照らし合わせて天を仰ぐばかりだが、溜息をついてばかりはいられないのである。