王位戦と名人戦

  • 久々の将棋ネタである。今日は王位戦の挑戦者決定戦と名人戦七番勝負第6局1日目という大一番が行われる。将棋界はここのところ「盤外名人戦」(名人戦主催紙問題)のドタバタばかりがクローズアップされているが、盤上では白熱した名局を見せてファンを安心させてほしい。
  • 王位戦は、島朗八段と佐藤康光棋聖が羽生王位への挑戦権を賭けて激突することになった。佐藤挑戦ならば毎度の黄金カードになるが、今回は島に注目してみたい。島が脚光を浴びたのは1988年、もう18年も前のことになる。十段戦が発展的解消により名人戦と並ぶビッグタイトル「竜王戦」として再スタートしたとき、米長九段(現連盟会長)を4タテで破って初代竜王位に就いたのが島であった。和服が常識のタイトル戦の対局にアルマーニのスーツを着こなして現れたり、対局前日に水泳でコンディションを整えたり、古い将棋界のイメージと異なった「新人類棋士」としてそのライフスタイルが一般の注目をも集めたものであった。また、当時から現在に至るまで将棋界を席巻し続けるまだ十代だった「羽生世代」を「チャイルドブランド」と名づけたのも島であり、そういった知的センスも新しかった。現在、連盟の理事を務めているが、おそらくは適任なのであろう。今の混乱を収拾できるのは次代執行部と目される谷川・島・森下の世代である。
  • その島も結局タイトル獲得は最初の竜王1期のみ。翌年、羽生の挑戦を受けて持将棋を含む「八番勝負」の激闘も奪取されてしまった。以降タイトル戦に4度登場するも全てストレート負け(うち3度は対羽生)、97年の棋王戦を最後に挑戦からも遠ざかってしまった。A級在位は10期を数えるも最近はB1に定着、昇級争いよりも降級の心配をする局面が増えている。続々と現れる若手強豪の前に40代棋士は苦戦を強いられているが、久々の番勝負を実現してほしいものだ(そろそろ結果が出た頃かな)。
  • 名人戦。谷川に踏ん張ってもらい、最終局までもつれ込んでほしい。谷川といえば、最近こんなブログ記事を見つけた。
  • 将棋好きの人にしか分からないネタ満載の爆笑創作。細部へのこだわりがまた素晴らしく、何度読み返してもくすりと笑ってしまう。将棋ファン、谷川ファン必読です。