予定外の二日酔い

  • 昨夜の日本−ブラジル戦。2km泳いだ後だったし旅行前なので、ビールは2杯(2パイント)までにとどめておくつもりだったが(前半に1杯、ハーフタイムに1杯)、後半75分過ぎにパブに入ってきて「カモーン、ジャパーン」と応援に合流してきたおじさんによって雲行きが怪しくなってきた。おじさんは僕の周辺をやたらと盛り上げ始めた。聞くと南米のブラジル以外の国出身だそうで、だから必然的に「アンチ・ブラジル」だったのだ。おじさんの両腕にはお約束の小さなtattooが。この国ではJapanと異なりtattooはファッションの一種で、必ずしも「その方面」の方々だけではなく、一般人でも普通に小さいやつを施している(シールの人も多いとは思うが)。ただやはり、tattooからはhigh-societyとか、establishment、intelligenceの匂いはあまり漂ってこない。いつも行く大学近くの比較的お上品なパブとは違って、さすがに盛り場だけあって「酒場」の雰囲気がプンプンしていて、客もtattoo率が高いのだ。オーストラリア戦とクロアチア戦は昼間だったので、夜の"The Grape"は初めて。庶民的な酒場で、いろいろな人が飲みにきていて酒場の気分を味わえた(でもちゃんとした由緒ある店なので、危険ではない。僕たちでも安心して入れるいいパブだ)。
  • 試合が終わって、おじさんは僕を皮切りに周囲の日本人に次々「俺のおごりだからどんどん飲め」と声を掛け始めた。そしてまとめてカウンターに注文し、ポケットから20ポンドの「札束」を引っ張り出して1枚引き抜いて払った。僕の目分量で100枚は超えているので、40〜50万円(!)といったところだ。お金の払い方やキップ良さを見て、「このおじさんは船乗りかもしれないな」と思った。Southamptonはイギリス屈指の貿易港で、ここOxford Streetは港に近い繁華街。そして"The Grape"はタイタニックのクルーも飲みに来た、という歴史を持つ古いパブなのである。僕は既に2パイント飲んで十分だったので、渡されたラガー1パイントで日本式に「カンパーイ」したあと、こっそりその辺にあった空きグラスに半分注いでKojiに渡した。残り半パイントを何とか飲んでそろそろ帰ろうと思い、おじさんに「Thank you」と声を掛けたら、「ここにもう1杯あるから空けてから帰れ」。少しずつ口を付けながら「もう十分だ」と何度も断ったのだが、許してくれない。イッキに行け、と。目が真剣なのでちょっとコワくなり、「国際親善」のために「グビっ」と全部飲み干した。ちゃんと歩けるレベルだし、記憶がなくなるような飲み方ではないのだがさすがに酔っ払ってバスで帰るのが面倒になった。「送ってってあげる」というid:hrkueさんの優しい言葉に甘えて愛車ロードスターで我が家まで。彼女は最近Winchesterに引っ越したので僕の家の近所は通り道なのだ。
  • サクロンを大量の水で流し込んで二日酔い対策をして床に就いたが、今朝はやはり身体がだるく頭も少し重い。今日は二日酔いの頭でMBAの成績を貰いにいく。その後、クラスメートで「無事パス」の祝賀会をやるようだが、ちょっとだけ顔を出して帰ろうと思う。