グラフ作成の虎の巻

マッキンゼー流図解の技術

マッキンゼー流図解の技術

  • タイトル(訳題)から、図解表現一般の技術がテーマと思い込んでいたが、全体の4分の3はグラフ表現の手法を解説したものであった。ゲ原題は"Say It with Charts"で、"chart"は図一般の意味もあるが、特に"グラフ"を表すことも多く、(当然ながら)原題のほうが『マッキンゼー流 図解の技術』より誤解しにくい(図は普通"diagram"と言っている)。他の適切な(売れそうな)訳題も思いつかないが。
  • 本書の「グラフ術」に関する解説は非常に明快で、80にも及ぶ豊富な事例もあり、ここに述べられているノウハウに精通して訓練を積めば「グラフ名人」になれるかもしれない。ちょっと脱線するが、久恒啓一の「図解学」は、「図解」を「関係と影響の大きさを丸と矢印で表現したもの」とシンプルに言い切った上で、単なる書類作成、プレゼンテーション技術を超えて、コミュニケーション革新、組織開発までを唱導する一つのコンセプトであると思っている。一方、本書は純粋に技術論に徹しており、仕事机、勉強机に常備する参考図書として大いに役に立ちそうである。後半4分の1のグラフ以外の図解については、例ばかりで解説が少なく、年賀状のイラスト集かと思った!
  • 評価:4.0(5点満点)★★★★