B級2組が面白い!

  • 僕は将棋が好きで、指すほうはてんでヘボで話にならないのだが、プロ棋戦の最新情報だけはイギリスにいてもきっちり把握している棋戦ウォッチャーなのだ。将棋界では、最年少九段に昇段した渡辺明竜王と、アマ強豪から異例のプロ編入試験を受けて合格、「サラリーマンの夢」として大きく報道された瀬川晶司新四段が最近の話題を独占している。
  • しかし将棋界を席巻しているのは相変わらず羽生四冠と「羽生世代」の数人の強豪(森内、佐藤、郷田、藤井、丸山)であり、この構図は15年ぐらい前からちっとも変わっていない。ようやく登場した渡辺だが、渡辺の同世代ライバルは山崎がいるぐらいで「世代」を形成するに至っていない。というか「羽生世代」が異常なんですね。将棋好きな人なら分かると思いますが、野球の「KK世代」(僕と同い年!)、「松坂世代」の比じゃないですよね。
  • ここまでは前振りで、今日は「名人戦B級2組」について触れてみたい(試験前に僕は何を書いているんだろうか?)。将棋に関心のない方はどうか飛ばしてくださいね。実はこのエントリは数日前にアップする予定だったのだが、遅れたため13日の対局の結果が出てしまった。そのため、12日以前の状況も含めて書くことにします。
  • B級2組は総勢23人の棋士がB級1組への2つの昇級枠をめぐって戦う名人戦のピラミッド中のリーグである。B級1組の上がA級で、その優勝者が名人への挑戦権を得る。従って、C級2組四段から名人への道のりはひたすら狭く険しく長いのだ。人数が多いので総当りではなく抽選で11戦が行われる。同率の場合は順位上位が優先される仕組みである。
  • 13日の対局前の状況では、順位5位の畠山鎮六段が全勝でトップを走り、昇級の1枠は既にほぼ決まったも同然の状況であった(13日も勝って正式に昇級決定)。問題は2位争い。1敗は既に消え、2敗の5人が争う展開となっていたが、その顔ぶれが面白い。上位から、南芳一九段、内藤國雄九段、屋敷伸之九段、森雞二九段、桐山清澄九段!。全員がタイトル経験者であり、(まだこんなところで燻っているのがおかしい屋敷を除いて)A級の一流棋士として一時代を作った豪華メンバーである。「終盤の魔術師」「自在流」「地蔵流」「燻し銀」。将棋ファンにはお馴染みの異名だけど、どれが誰だか分かりますか?。
  • 13日の対局では、屋敷が勝ち、森は内藤との直接対決を制し、南と桐山は敗れた。3月10日の最終局で森・屋敷戦が組まれており、2人が2敗で残っていれば大一番となる。混戦となれば3敗者の目も復活する。順当なら屋敷なのだが、古くからのファンとしては終盤の魔術師の復活昇級に大いに期待が高まるのだ。