大人の旅はいつ実現するのか。

  • 覚悟はしてきたつもりだが、寒さがこたえる。気温も低いが風が強くて身体の芯からこごえてしまう。宿で熱いお風呂にどっぷり浸かりたいぐらいだがイギリスではかなわない。夜の客室も寒かった。と思ったらセントラルヒーティングは夜間は切られていたのであった。出かける前に「今夜は毛布を1枚追加してほしい」と頼んでおいた。
  • 今日は市内バスのDay Ticket(大人2.3ポンド、子供2.0ポンド)を買って移動の足とする。Turist Information Centreを探すがなかなか見つからない。Waverley駅(エディンバラ最大の鉄道駅)に隣接しているはずなので構内に入って案内表示を探すが分からない。義父母と子供たちを駅で待たせて人に聞いてようやく発見できた。長い階段を上ってPrincess Streetに出たところに大きくて目立つ建物があった。最初にバスを降りたとき後ろを振り返ればすぐに見つかったのであった。何事も360度の確認が必要である。でもナオは電車をたっぷり見ることができてご満悦の様子であった。Informationに来た目的はスコットランドの民族舞踊(Scotish dance)、民族音楽バグパイプ)を鑑賞したい、というKumiのリクエストが適うかどうか情報を得るため。Information Counterのお姉さんに聞いてみると、イベントは週末に集中しているので明日までの滞在では見つけにくい、とのこと。いちおうパンフレットをもらって自分で調べたら、今夜7時から、とあるクラブでバグパイプの"Highland Pipers"が出演する模様。7時なんてごく普通の時間であるが、幼児とシニアを含むわが集団は夜がきわめて早いので不可能なのである。僕たちに「大人のナイトライフ」が訪れるのはいつのことであろうか。
  • スコットランド国立美術館(National Galleries of Scotland)の見学から今日の観光スタート。残念ながらゴーギャンは出ていなかったが、ルーベンスやヴァン・ダイクを鑑賞することができたので満足。子供たちが退屈するのであまりゆっくりはできず、バスでスコットランド博物館(Museum of Scotland)へ移動。ここは子供が楽しめる展示物もいろいろある。1階から上層階に向かってスコットランドの歴史を古代から20世紀まで辿る構成になっているが、みんな歩き疲れてお腹もすいてとても上までは見きれない。1階のカフェ・レストランでランチを食べた後、ユウを特別展の"Monster Creepy Crawlies"に連れていく。子供向けの"虫"のイベントで、Easter Vacationに合わせた企画だろう。巨大な模型と本物、Visual機器、スタンプラリー、クイズなど少年たちが夢中になるような仕掛けがたくさん用意されている。こういうのは日本より上手に作るなあ、といつも感心する。
  • 博物館そのものは、ほんの「サワリ」しか見学できなかったが、「もう出よう」ということになったのでRoyal Mileへ。確かに見学するだけでも歩く距離が半端ではないので疲れるだろう。でも外に出たら寒風。バスに乗ろうとしたら運転手さんに「歩いたほうが早いよ」と言われてしまったがそれでも乗って2つ目で降りる。
  • 女性陣のお目当ては「カシミヤ」とか「キルト」の店である。その間に僕は並びの"Royal Mile Whiskies"へ。昨日1本義父母からプレゼントされたが、もともと自分で買うつもりだったので「もう1本」。"Balblair"の26年(!)を買った。日本に持ち帰るのは面倒そうなので、こっちにいる間にケチケチせず飲んでしまおうかと思う。
  • 「子供博物館」("The Museum of Childhood")は面白かった。模型、人形、ボードゲームなどあらゆる種類のおもちゃの膨大なコレクションは圧巻。もともとは「子供嫌いの変わり者の市会議員が大人の思い出のために作った博物館」だそうだ。もちろんユウとナオは大興奮。大人も子供も楽しい時間を過ごすことができた。
  • "Bella Italia"でお茶(Lunch Time中だったので本当は食事しなければならなかったのだが大目に見てくれた)の後バスでPrinces Streetに戻って、お城を見上げる広大な公園"W.Princes Street Gardens"でしばし子供たちを遊ばせる。芝生の斜面で転げまわったり走ったり、結局子供はこういう場所がいちばん楽しいのだ。2歳から70歳までの要望を満たすのは本当に難しいのである。
  • 夕食は「ニュー・タウン」にあるシーフードの"Mussel inn"。開店の6時までなんとか(インターネットカフェなどで)時間をつぶす。スパゲティーやスープ、パエリア、牡蠣で比較的軽めの食事にしたが、スパゲッティーに入っていたムール貝は絶品で、1キロポットを注文すれば良かった。
  • 民族舞踊はともかく、美術館や博物館をじっくり鑑賞できるような時間と環境がほしいとつくづく思った1日であったが、まあ子育て中の「我慢」は誰もが通らなければならない道なのである。